オーダーメイドインソールの作り方！製作手順と快適性を高める方法とは

著者：POSMORE

「せっかく作ったのに履き心地が合わない」「高い費用をかけたのに効果を感じない」・・・。オーダーメイドインソールを検討している方の多くが、そんな不安を抱えています。

特に足腰への負担や姿勢の悩みを抱える人にとって、インソールは毎日の動作に直結する重要な要素。にもかかわらず、作り方や調整内容をよく知らないまま制作を依頼してしまうと、自分に合わない仕上がりになってしまうことも珍しくありません。

この記事では、専門の現場で実際に行われているインソール制作の工程を、初回測定から最終フィッティングまで網羅的に解説します。足型測定のポイントやバランスチェックの精度、使用目的に応じた素材選定や構造設計の工夫など、普段は聞けない実践的な内容も盛り込みました。

さらに、調整工程の目的や最終確認の方法まで具体的に紹介しているため、「失敗しないインソール作り」の判断材料としても活用できます。最後まで読むことで、あなた自身にぴったりの1足をつくるための知識と視点が手に入ります。読み進めるだけで、正しい選択に一歩近づけるでしょう。

オーダーメイドインソールの作り方の基本構成と素材の選定

足の状態に合わせた素材の選び方

オーダーメイドインソールを製作する際には、使用する素材の選定が非常に重要です。なぜなら、足の状態や症状によって求められる機能が異なるためです。例えば、外反母趾や扁平足、足底筋膜炎といった症状を抱えている方には、それぞれ異なるアーチサポートや衝撃吸収機能が必要となります。そのため、足の状態を正確に把握し、それに合った素材を選ぶことが、インソールの効果を最大限に引き出す鍵となります。

素材には大きく分けて「柔らかい素材」と「硬めの素材」があります。柔らかい素材はクッション性に優れており、長時間の立ち仕事や歩行による衝撃を和らげたい方に向いています。一方、硬めの素材は足の形状をしっかりと保持し、骨格や関節へのサポート力を高めたい場合に適しています。以下のように、素材ごとの特性と適した用途を比較してみましょう。

素材名	特徴	向いている症状・用途
EVAフォーム	軽量で柔軟性があり、耐久性にも優れる	一般的な足の疲れ、軽度のアーチサポートが必要な方
ポリエチレン	しっかりとした硬さがあり、形状を保持しやすい	足の骨格やアライメントの崩れがある方
ウレタンフォーム	クッション性に優れ、足あたりが柔らかい	長時間の歩行や立ち仕事による衝撃吸収を求める方
コルク	吸湿性と通気性があり、程よい硬さで自然なフィット感を得られる	蒸れが気になる方や、足環境を快適に保ちたい方
カーボンシート	非常に薄くて軽量、強度がありながらしなやか	スポーツ用途やアスリート向けで高性能を求める方

素材選びを誤ると、痛みが改善されないだけでなく別の部位に負担がかかることもあります。たとえば「柔らかそうで気持ちよさそう」と選んだ結果、足裏のアーチが支えきれず膝に痛みが出たという例もあります。こうした失敗を避けるには、自分の足の特徴に合った素材を選ぶことが重要です。専門店では足圧分布やアーチの高さを分析し、最適な素材を提案してもらえることが多く、足の癖や圧の偏りも考慮されます。さらに、素材により価格や耐久性が異なるため、使用頻度や環境を踏まえて選ぶ必要があります。雨の日に使いたいなら防水性素材、夏場の蒸れ対策には通気性重視の素材が向いています。

素材を選ぶ際には、下記のようなポイントを基準にすると選びやすくなります。

• 足のトラブルの有無（外反母趾、扁平足、足底筋膜炎など）
  
• 立ち仕事や歩行の多さ
  
• スポーツ利用か日常利用か
  
• 蒸れやすさ、通気性の希望
  
• クッション性を重視するか、矯正力を重視するか
  
• 使用する靴の形状やサイズ
  

使用目的に応じた形状と構造の考え方

オーダーメイドインソールの設計では、使用者がインソールをどのような目的で使うのかを明確にすることが重要です。なぜなら、歩行サポートを目的とする場合と、競技スポーツのパフォーマンス向上を目的とする場合では、必要とされる構造がまったく異なるからです。また、同じ歩行用途であっても、室内履き用と通勤用では求められる設計に違いがあります。

使用目的に応じたインソール設計の基本は、以下の3つの要素のバランスにあります。

1. アーチサポート：足裏の土踏まずを支えることで、全身のバランスを整える役割
   
2. クッション性：地面からの衝撃を吸収し、足裏や関節への負担を軽減する機能
   
3. 安定性：歩行時に足がブレないように保持し、姿勢の崩れを防ぐ構造
   

たとえば、スポーツ用途のインソールであれば、ランニングやジャンプ時の衝撃を吸収しつつ、着地時の安定性を確保する必要があります。このような場合、アーチ部分を硬めにして支えつつ、前足部には柔らかい素材を配置することで、両方の性能を両立させる設計が求められます。

一方、立ち仕事を長時間される方には、衝撃吸収力の高い中敷全体が柔らかめの構造が快適です。ただし、柔らかすぎると姿勢が崩れる原因にもなるため、踵部だけを安定化させるなどの工夫が必要となります。

構造のパターンとしては、以下のような設計が一般的です。

使用目的	推奨される構造	注目ポイント
スポーツ用	土踏まずのサポート強化＋つま先・踵のクッション層	反発力と安定性のバランス
立ち仕事・通勤用	全体クッション＋軽量構造	疲労軽減と長時間の快適性
室内履き用	通気性重視＋滑り止め加工	蒸れにくさと安全性
健康維持・日常歩行用	アーチサポート＋程よい硬さの全体構造	姿勢保持と歩行のリズム補正
医療・リハビリ用途	個別対応型のパッド配置＋圧力分散重視構造	症状に合わせたピンポイントサポート設計

これらの設計は、足の動き方（回内・回外）、荷重のかかる位置、歩行の癖などを分析したうえで決定されます。特に、回内（足が内側に傾く）傾向が強い方には、踵の内側を高くする補正パーツを加えることで、足全体の安定感が増します。

目的別に考えるインソールの構造と特徴

日常生活で快適に使いたい場合の特徴

インソールは足元から生活の質を支える重要なアイテムです。特に日常生活においては、長時間の歩行や立位、またはデスクワーク時の足の姿勢維持など、体のバランスを保つためのサポートが求められます。快適なインソール設計を実現するためには、使用シーンと個人の足の状態を正確に把握する必要があります。

日常生活用のインソールに必要な構造の要素には、以下のようなポイントがあります。

1 足裏全体に均等に荷重が分散されるアーチサポート構造
2 歩行時の衝撃を吸収するための中足部と踵部のクッション層
3 足が靴の中でズレないための滑り止め加工やヒールカップの形状
4 長時間の使用を想定した通気性と蒸れにくさ
5 靴の形状に合わせた厚さとサイズ展開

以下の表は、日常使用に適したインソール構造を目的別に整理したものです。

使用目的	構造の特徴	推奨される素材例
通勤・通学	薄型、軽量、踵部の安定性を重視	EVAフォーム、ウレタン
デスクワーク	通気性、姿勢保持重視	メッシュ素材＋中程度の硬さ
ショッピングや外出	長時間歩行への対応、アーチ支えあり	コルク、高反発ウレタン
家庭内での使用	柔らかめ、足音が気にならない素材	ソフトEVA、フェルト系

インソールは靴の種類によって厚さや形状を調整する必要があります。日常用スニーカーにはやや厚めでクッション性のある構造が適していますが、革靴やローファーでは薄型かつ滑りにくい加工がされた素材が選ばれます。

日常生活での快適さは、ただの「柔らかさ」だけでは実現しません。足にフィットするアーチ形状、滑り止め設計、蒸れを防ぐ素材、そして体重や歩行特性に基づいたバランスの取れた構造が一体となって、ようやく満足できる履き心地が得られます。

運動や立ち仕事向けの特徴と設計の違い

運動や立ち仕事では、足にかかる負担が日常生活に比べて大きく、インソールに求められる性能も高度になります。特にジャンプや着地、急な方向転換が多いスポーツ、または長時間立ち続ける職業では、足の衝撃吸収と安定性を両立する構造が不可欠です。

運動向けインソールと立ち仕事向けインソールでは、求められる設計要素に明確な違いがあります。以下の表で比較しました。

特徴項目	運動向けのインソール	立ち仕事向けのインソール
衝撃吸収	前足部と踵部に高反発素材を使用	踵部中心に衝撃緩和層を追加
安定性	足首の回内・回外を防ぐ構造	膝や腰に負担をかけない形状設計
通気性	汗の吸収と速乾性を両立する素材	長時間でも蒸れにくいメッシュ使用
耐久性	高強度で摩耗に強い素材	クッション性が長持ちする設計
体重移動への対応	軽快な体重移動をサポートする構造	同じ場所での体重集中を分散する構造

運動向けでは、インソールが動きに追従する柔軟性を持ちつつ、足裏にかかる力を分散する役割が求められます。特に走る競技では前足部に厚みを持たせて蹴り出しを強化し、踵には衝撃吸収素材を配置してランディング時の負担を軽減する設計が多く見られます。

一方で、立ち仕事向けでは「同じ場所に長く立ち続けることによる足裏の圧迫」や「血行不良によるむくみ対策」が設計の中心となります。足の裏に均等に圧がかかるよう、全体にクッションを持たせ、かつ足首のアライメントが崩れないように踵部を安定化させる構造が必要です。

オーダーメイドインソールの作り方における測定と設計の流れ

足型の確認とバランスチェックの手順

オーダーメイドインソールの作成は、まず正確な足型の取得から始まります。これは単に足のサイズを測るということではなく、体重のかかり方、足裏のアーチ構造、骨格の左右差など、複数の要素を同時に評価する工程です。足型の確認は、単なる形状把握ではなく、その人の身体の癖や生活スタイルまでを見抜くための重要な診断作業です。

一般的な足型の確認手順は次のとおりです。

1 静止時の足長・足幅・足囲を測定
2 立位での体重バランスを確認
3 足裏の圧力分布を足圧計などで解析
4 歩行中の接地パターンの観察（必要に応じ動画分析）
5 アーチの高さ・可動域の触診

テクノロジーが進化した現在では、3Dスキャンや高感度の足圧計などを用いた精密な測定も一般的になっています。これらのツールは、目視だけでは分からない微妙な差や、歩行中に変化する足の動きを数値として可視化することで、より精度の高い設計につながります。

さらに、測定と併せて必須なのが「左右差のチェック」です。多くの人は利き足や姿勢の癖により、左右で足の形や負担のかかり方が異なっています。この左右差を無視してインソールを作ると、かえって体のバランスを崩してしまう可能性があります。

足型測定の結果をもとに、次はどの位置にどの素材を使うか、どの高さでアーチを支えるかといった設計に進みます。こうした作業は一人ひとりの足の特徴を見極めたうえで、専門家の判断のもと慎重に行われます。

測定から設計までの工程は、単なる手順ではなく、体全体のバランスや動作効率に直結する「分析作業」でもあります。そのため、一般的なサイズオーダーとは異なり、詳細なチェックが欠かせません。精度の高い足型確認は、快適性だけでなく将来の関節負担や身体不調の予防にもつながります。

体重のかかり方と歩き方の特徴を反映させる方法

インソールの効果を最大限に引き出すには、足型だけでなく、体重のかかり方や歩行スタイルの分析が不可欠です。これは動的な足の使い方を把握し、その特性を設計に反映させるための重要な工程です。

体重のかかり方には主に以下のパターンがあります。

1 つま先に体重が集中する前傾タイプ
2 踵に強く体重が乗る後傾タイプ
3 足の外側に体重が流れる回外タイプ
4 足の内側に重心が偏る回内タイプ

歩き方によっても、インソールの設計は大きく変わります。たとえば、回内傾向が強い人には、アーチを高めに設計して内側の崩れを防ぎます。一方で、踵からの着地が強い方には、踵部に厚めのクッション層を追加して衝撃を緩和する設計が求められます。

歩行パターンを正確に把握するためには、動作分析が必要です。以下のツールが活用されます。

• 高速度カメラによる歩行動画の解析
  
• 床下センサーによる接地圧の可視化
  
• 筋電計による筋肉の使われ方の測定
  

オーダーメイドインソールの作り方で知っておきたい製作手順

オーダーメイドインソールの製作は、単に足型を採るだけではなく、各工程で繊細な調整を重ねることで、快適さと機能性を高めています。こうした工程を正しく理解しておくことは、自分に本当に合うインソールを手に入れるために非常に大切です。

最初に行われるのは「初期評価」です。これは立った状態や座った状態、歩行時など、さまざまな動きの中で足の状態を観察する工程です。足裏のアーチの高さ、回内・回外の傾向、膝の向き、脚の長さの違い、足底圧の分布などを細かく分析します。この初期評価で得られる情報が、後の設計精度を大きく左右するため、慎重な観察が求められます。

続いて行うのが「足型の採取」です。石膏、フォームトレー、3Dスキャナーなどを使用し、足の形状を詳細に記録します。中でも3Dスキャナーを使えば、数ミリ単位の微細な形状差までデジタルデータとして取得できるため、精度の高いインソール作成が可能です。

足型をもとに設計と試作へと進みます。この段階では、使用シーンに合わせて素材や形状を選定し、負荷がかかりやすい箇所にクッション材を、安定性を求める部分には補強材を配置するなど、機能的な工夫が加えられます。

以下に、インソール設計時の調整ポイントと目的をまとめました。

調整ポイント	調整内容	目的
アーチサポート	高さや硬さの調整	土踏まずを支え、疲れを軽減する
ヒールカップ	深さや角度の微調整	かかとの安定を確保し、左右のブレを防ぐ
前足部の厚み	足指の動きに合わせた柔軟性設計	蹴り出しのスムーズさをサポートする
外反母趾パッドなど	特殊部品の設置・調整	痛みの軽減や変形部位の補助
素材の柔軟性・硬さ	EVAやウレタンの選定	快適性と耐久性のバランスを保つ

まとめ

オーダーメイドインソールは、一人ひとり異なる足の形状や歩き方、生活スタイルに応じて作られるため、快適性や機能性を最大限に引き出す手段として注目されています。しかし、「どんな手順で作られるのか分からない」「本当に自分に合うのか不安」といった悩みを持つ方も少なくありません。

今回の記事では、インソール制作の流れを、足型の測定からバランスチェック、構造設計、調整、最終チェックまで詳しく解説しました。特に、荷重バランスや歩行分析、素材選びの基準などを専門的視点で紹介しています。各工程が持つ役割を踏まえ、厚みや硬さを調整することで、日常や運動時でも違和感のない設計が可能です。フィッティング時の確認ポイントも明確にし、仕上がりの判断に活用できます。

放置すると膝や腰など他の部位にまで負担が広がるリスクもあるため、少しでも違和感がある場合は早めの対応が大切です。正しい知識を持って製作工程を理解すれば、自分の身体にとって最適なインソールを手に入れる一歩となります。

今後、インソールを検討している方は、ぜひこの記事を参考にして、自分の足にぴったりの1足を選んでください。快適な日常生活への第一歩となるはずです。

よくある質問

Q. オーダーメイドインソールはどれくらいの期間で完成しますか？
A. 一般的に、初回の足型測定から最終的なフィッティングまでにかかる期間は、およそ1週間から3週間程度が目安となります。これは足のバランスチェックや歩行パターンの分析、形状調整を複数回に分けて丁寧に行うためです。短期間で完成するケースもありますが、足にかかる圧力や使う素材によって工程が増えることがあるため、日常生活や運動時に快適さを追求したい方ほど、余裕をもったスケジュールを意識することが大切です。

Q. 素材の違いで価格にどれくらい差が出るのでしょうか？
A. 使用される素材には、クッション性が高いウレタンや通気性に優れたメッシュ素材、長時間の使用に耐える熱可塑性樹脂などがあり、それぞれのコストに応じて価格帯が変動します。例えば、高反発素材を用いたスポーツ向けモデルと、柔軟性を重視した日常向けインソールでは、仕上がりの厚みや耐久性も異なり、価格差は数千円単位になることもあります。足裏への負担を軽減したい方や、立ち仕事が多い方には、やや高価でも機能性を優先する選択が推奨されます。

Q. 立ち仕事に使うと足の疲れは本当に軽減されますか？
A. 立ち仕事に適したオーダーメイドインソールは、長時間の荷重を分散し、かかとや土踏まずに集中しがちな圧力を抑える設計になっています。特に姿勢の乱れや骨格の歪みが原因で疲労が蓄積しやすい人に対しては、バランス調整やアーチサポートを取り入れた構造により、疲労感の大幅な軽減が期待されます。足の疲れだけでなく、腰や膝への負担にもアプローチできる点からも、立ち仕事の方には非常に有効です。

Q. インソールをオーダーするときに注意すべきことはありますか？
A. オーダーメイドインソールを依頼する際は、自分の足の状態だけでなく、使用目的や生活スタイルをしっかり伝えることが重要です。歩行時に違和感を覚える箇所や、スポーツで使う頻度、仕事中の動き方などを詳しく伝えることで、最適な素材や形状を選定できます。また、足の状態は季節や体調で変化することもあるため、継続的なフィッティングの見直しや、調整可能なサービスの有無も事前に確認しておくと安心です。

店舗概要

店舗名・・・ポスモア
所在地・・・〒216-0004 神奈川県川崎市宮前区鷺沼1-11-6 第一ビル 1階
電話番号・・・044-750-7074